好きなものを描いたり語ったりするブログです
ローゼンメイデン 0 -ゼロ- 1巻感想
2016年11月18日 (金) | 編集 |
お久しぶりです!
単行本が出るのを待っていたので、長らくローゼンメイデンの記事が書けずにいました。
盛り上がっているファンの話題に加われなくて寂しかったですが、本一冊まるまる新鮮な気持ちで読めるというのもいいですね。待った甲斐がありました!

1話目を読んだ時に、今作は映像的で、大きな世界を描いている感じの作風だなと思ったのですが、「覗きからくり」の喩えが出てきて、なるほどと思いました。
十二階から見渡す広い街も、裏を返せば人の心の内側にある夢、おとぎの世界なのかもしれませんね。

目に見えている大きさや距離が一瞬にして覆ってしまうのが、ローゼンメイデンの世界の面白さだと思います。
nのフィールド使えば家から学校までひとっ飛びだもんね(笑)

どうやら、このお話の鍵になるのは「第0ドール」。
ローゼンメイデンたちが作られる前に、未完成のまま壊されてしまった人形の一体に、水銀燈が名前を与えていたようです。
そのドールの心だけが残り、夢を見て、その夢が現実世界を侵食する。その危機にみんなで立ち向かう、という構図になっています。

翠星石と蒼星石は、菊と華の姉妹をマスターにして、無事に現実世界で生活しています。
今まで翠星石の記憶がおぼろげだったのは、第0ドールの侵食が原因だったのですね。
水銀燈も現実世界に出てきており、無事です。

金糸雀と雛苺は、華がエレベーターから幻の十三階へ行ってしまった時、nのフィールドでお茶会をしていました。いつまで経っても終わらない、そこから出ようともしない二人の様子を見ると、おそらく飲み込まれかけている状態なのでしょう。

真紅は居場所がわからず、双眼鏡のレンズ越しに眠った姿が見えるだけ。こちらはもしかしたら、完全に飲み込まれているのかもしれません。

面白いことに、ヤングジャンプ版ローゼンメイデン終了時も、真紅だけがローザミスティカを失って眠った状態でした。時系列的には今回のほうが昔の話ということになりますが、読者から見ると既視感のある状態から物語がスタートしていきましたね。
バーズ版初期のように顔を合わせる度にピリピリする姉妹たちに戻ってしまってたら、ちょっと読みづらいですものね(笑)

菊と翠星石が心を通わせていく様子、お屋敷の坊ちゃんがやっぱり「結菱さん」だったこと、水銀燈の寂しい回想シーン、どれも目が離せず、やっぱりローゼンの世界だなと嬉しくなります。

改めて思うのは、翠星石はかなり人間に近い感覚を持っているということ。菊の代わりに坊ちゃんと世間話をしようとするシーンも楽しいです。彼女を中心にするとお話がほんわりと軽く明るくなるので、もしかしたらバーズ〜ヤンジャン版よりも読みやすいと思う人が多いのではないでしょうか。

私も契約するなら翠星石がいいかな、と思いますが、蒼星石と契約した華がこれまた楽しそう!
でも華が言うように、しゃれた会話が楽しめるかどうかは向き不向きがありますね。
蒼星石の「とりあえずマスターには従う」スタンスに突っ込みを入れる華はさすがです。こんなふうに蒼ちゃんを扱える人は他にいないんじゃないでしょうか。知ったかぶりで返事してるのも見破って即座に突っ込む。私にはできぬ!

一歩間違ったら、蒼星石は結菱の坊ちゃんと契約することになっていたかもしれないんですよね。そのほうが彼女の性格的には自然だし、何せ結菱家だからスンナリそのまま行ってしまったんじゃないかと思います。
華はどちらかというと金糸雀のマスターになりそうなタイプなんだよね。だからこそ、姉妹とはいえ蒼星石のマスターになったのは意外でもありました。

そしてやっぱり、引きこもりの坊ちゃんは真紅を求めるのですね。
今までの真紅のマスターがどんな人たちだったのか、少々心配になってきます。

大正の帝都で翠星石と蒼星石が出会い、棒アイスを食べながら話すシーンはとっても可愛いです。
今作はこの二人を中心に、第0ドール、そして真紅、二つの鍵を探していくことになりそうですね。
ローゼンメイデンと探偵ものは相性が良いと思うので、続きが楽しみです。

第0ドールの能力は、雪華綺晶と似たところがありますが、今後どんなふうに描かれるのでしょうね。
ネット上で囁かれている、この二体の同一ドール説については……うーん、まだ何とも言えないです。
第0は一応、作りかけの体を持っていたことがあるというのが少し引っかかるのよね。
バグポケモンとか没設定みたいな香りがする(笑)

こうしてみると人形って、誰かが頭の中でイメージしてそれを投影しただけで、もう固有のものとして生きてしまうのかもしれませんね。「夢幻の中に探す」というのは、ある意味自分で作り出すということなのでしょう。
これからラプラスの魔も来日(?)するようですし、だまし絵の中にますます迷いこんでいきそうです。
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ローゼンメイデン 0 -ゼロ- 1話を読みました
2016年02月24日 (水) | 編集 |
まさか新連載が始まるとは、去年の今ごろは思ってもいませんでした。
やっぱり嬉しいですね。表紙も裏表紙もローゼンメイデンに彩られたウルトラジャンプを見ただけで、気分が華やぎます。

今回は単行本派になる予定なので、雑誌は買わない!と決めていたのですが、クリアファイルが欲しくて結局購入。
こういうパールカラーのグッズに弱いんですぅ……。
でもこれは勿体なくて使えないな。使うとあっという間に傷んじゃうし。

内容も1話目から充実していて、ああやっぱり原作はいいなと思いました。
大正時代の洋館を舞台に、メイドさんと翠星石が活躍するお話になりそうです。
本編(ジュン編)はアリスゲームや人形たちの運命中心に描かれていましたが、こちらは人形が引き起こす不思議な現象、というほうにスポットを当てていくのでしょうか。

本編に比べて感情的ではなく、ローゼンメイデンとそのマスターを取り巻く世界、という大きな舞台が映像的に感じられました。翠星石の毒舌がもっと炸裂するのかなと思いましたが、素直で優しい部分が早々と現れ、良い雰囲気で始まりましたね。

7体のドールが同時に目覚めたのは多分、ジュンの時代が初めてだったと思うので、このお話の時点では全員は揃わないのでしょう。
翠星石を中心に、どのドールが出てくるのか楽しみです。菊には妹がいますが、そこに蒼星石が来るのはさすがに安直すぎ?
蒼ちゃんは一緒に菊のところに来るか、洋館の坊ちゃん付きになるのが妥当でしょうか。菊の妹はぱっと見、ローゼンメイデンのマスターになるタイプではない気がするんだよね。

せっかく翠星石中心なんだから、扉絵か表紙のどちらかは彼女の絵にしてほしかったかなあ。

読んでしまうと次も追いかけたくなるのですが、ここはじっと待ちます。
なんて言って、次も付録がついたらどうしましょうね(笑)
みんな欲しがる黄色い幸せ
2014年07月29日 (火) | 編集 |
金糸雀W

ローゼンメイデンの物語の中で、金糸雀はみんなの救いになっていたと思う。
本当は人一倍、生きることの厳しさを知っている子なんだけど…。
それでも最後まで、この子の持っている強さと明るさが救いだったなあ。

気遣いもできるし、わざと空気を読まない行動もできるし、様子見もできるし特攻もできる。
万能なんですよ、この子!!

軽く扱われてもそれに応じたリアクションができるし、求められれば冷静な分析や説明もできちゃう。
自称策士、というだけに、切り替えが早いんですよね。
引きずらないし、嘆かない。
一番かっこいいのは誰かと聞かれたら、私は迷わず金糸雀と答えます。

Dolls talkやアニメの金糸雀もかわいいけど、本編での理知的で柔軟な姿がやっぱり本来の金糸雀だと思います。
誰とでも同じように接して違和感がなく、特別な雰囲気を作らないキャラって良いですよね。


* * *


昔ばなしとか神話に熱病的にハマッてしまっている今日この頃。
あまのじゃくとかみけらんとかイクトミとかロキとかがやばいですもう。
無秩序好き。何考えてるかわからない奴好き。
あ、みけらんは普通の人だったw
Dolls talk3巻 感想
2014年07月25日 (金) | 編集 |
ちょっと入手が遅れてしまいましたが、無事読むことができました。
本編と違ってこちらは掲載誌を買っていないので、単行本が出た時の嬉しさはもしかしたら本編を上回っているかもしれません。
でもそれも、今回で最後…。
おそらくローゼンメイデンの、最後の最後を飾る作品になるでしょう。

甘〜いピンク→ゴシックな黒と来て、今回の表紙は爽やかなペパーミントグリーンでした。
ブレない可愛さ、少女らしさ、良いですね。
そして裏表紙見た瞬間叫んでしまいました。

雪華綺晶ーーーーーーっ!!!

かるき春先生の絵柄はとにかく可愛らしさ全開なので、とけるような雪華綺晶の物腰に、意外にも合っているのではないでしょうか。
彼女の登場は結局、おまけ漫画での自己紹介のみでしたが、それでも嬉しかったです。
本当は、お話のイメージがどうとか考えずに、水銀燈でも雪華綺晶でも鳥海でも梅岡でも店長でも遠慮しないでばんばん出して大暴れしてほしかったけど、そうはできないのが職業漫画家のつらいところなのでしょうね。
やりたいことだけやって満足したいなら自腹で薄い本作れってことでしょう。

収録されているお話は、1〜2巻に比べてジュンの活躍が多いと思いました。
ジュンの人形愛…いや、人形に愛される様子が強調されています。
翠星石とは少女漫画チックに、雛苺とは兄妹のように、真紅とは主従関係を貫き、金糸雀とは友達の友達?ぐらいの感覚、蒼星石とはお互いにちょっと遠慮がある。このあたりも本編に忠実ですね。

蒼ちゃんに「見てろ」って言ったら本当にガン見してるだけとか、金糸雀がカラスに卵焼き奪われたりとか、水銀燈と真紅の髪の毛引っ張り合いとか、本編を意識したエピソードが目立ちました。
いっそ、こっちをアニメ化したほうが面白かったんじゃないかと思います。
いや、もし、Dolls talkという漫画がなくて、本編をこのノリでアニメ化していたら…ちょうどいい具合の改変だったんじゃないかなと。
人物設定を踏まえつつ、エピソードは取捨選択してオリジナルの要素も入れて、作品としてきちんとまとめる。これ、このままアニメだったとしても普通に受け入れられる気がする。

最後の「まさか夢!?→いや本当は…」のくだりは、よくある展開といえばそうだけど、読者が初めてジュン視点に寄り添える、良い終わり方だったと思います。
このラストで、本編のジュンとDolls talkのジュンがつながった気がします。
ひたすら人形に愛されていたジュンが、自分から意識して人形に愛を与える、そして幸せな人形たち…もしかしたら本編と同じかそれ以上に「報われた」終わり方なのかもしれません。

書き下ろしのおまけ漫画で、ジュンが一人一人に声をかけて「ありがとう」と言うシーンは、本編のラストシーンと重なって、今までローゼンメイデンを応援してきた私たちの気持ちとも重なって、感動のフィナーレといえるのではないでしょうか。
燃え尽き気味でいたこの数ヶ月間を一気に取り戻したような、本編終了時の満足感にまた立ち返れたような、そんな気分です。
ローゼンメイデン ロートシュヴァルツ 感想
2014年04月23日 (水) | 編集 |
真紅と水銀燈の小説『ロートシュヴァルツ』を読みました。
舞台は19世紀のイギリス、オックスフォードです。
この時代の真紅のマスターはアリス・リデル。
『不思議の国のアリス』の主人公のモデルとなった少女です。
アリスの作者、ルイス・キャロルもドッドソンという本名で登場しています。

ドッドソンが物語を書くきっかけになったボートでのピクニックや、代用ウミガメスープの歌なども作中に織り込まれ、最後には『不思議の国のアリス』が完成するという流れはとても美しいです。
一方、水銀燈は以前メアリーという女性をマスターにしていたことを明かしますが、こちらは『フランケンシュタイン』の作者です。時代は50年くらい差がありますが、どちらも小説が生まれる過程に立ち会い、影響を与えたというところが興味深いです。
ガラス職人の生活を描いた前作『ツヴィリンゲ』と違い、読んでいる人の多くが馴染み深く思える反面、目新しさはやや薄れます。ただ、アリスの哲学的な世界に真紅が、フランケンの絶望的なゴシックロマンの世界に水銀燈が関わっていたという設定は上手ですね。

そこで気になった点がひとつ。
アリスの物語が書かれたのは確かにこの時代なのですが、本編で真紅たちがまだ箱庭にいた頃、アリスにまつわる話をしているシーンがありました。

「なんでもない日おめでとう」
「それはイカレ帽子屋の台詞だわ」

というところ。
私はあまり詳しくないのですが、あの台詞にはアリス以前の元ネタがあったのでしょうか?
それにしたって、箱庭時代というとかなり昔になってしまうと思うのですが…。
いくらnのフィールドと現実世界は時間の進み方が違うとは言え、箱庭を旅立った真紅が巡り巡ってアリス・リデルの元へやってくるという話になると、どうしても前後関係が気になります。


さてさて、お話全体としては明るい作風に仕上がっていました。
アリス・リデルを雛苺と重ねて見る真紅の目が優しく、二人のやりとりが微笑ましいです。
ドッドソン先生のキャラクターもほんわかしていて、吃音や少女性愛などの要素は割愛されています。写真趣味も明るいイメージでしか出てきません。
真紅の探偵好きのルーツとしてアリスとドッドソンを登場させ、事件の謎解きをする展開も可愛くて良いのですが、推理ものとしてはそんなに面白くなかったかなぁ。事件に関わってる人たちがそれほど魅力的じゃないし、最後のほうはバタバタと片付けて無理矢理納得させてしまった感じ。

水銀燈のキャラクターも、あと一歩活かせなかった印象です。
価値観の違いが元でメアリーとの契約を解除した後、水銀燈はマスターとの絆を否定し続けてきました。ひょっとしたら、この後めぐと出会うまでずっとそうだったのかしら…? 私はてっきり、自分のせいでマスターを死なせたとか、何かトラウマティックな経験があるんだと思っていましたが…。
まあ、自分を元ネタにフランケンシュタインなんぞを生み出されたらそれはショックだろうけど…。
すんなりと昔語りをするところと言い、何となくこの作品の水銀燈には違和感を感じます。
でも、悪魔と間違えられて騒ぎになる展開は良かったですね。水銀燈が天使に見えるのは、真のマスター(とその父親)だけなんだとつくづく思いました。


で、最後に現代に戻り、みんなでお茶会…。
えーと、ここにいるメンツは真紅と水銀燈と翠星石と蒼星石と金糸雀。
ということは、本編の時系列で言うとみんなで雪華綺晶の城に乗り込む直前?
いやいや、それだとジュンがいるのはおかしいし…。
dolls talk的な世界?と一瞬考えたけど、雛苺がいないところを見るとそのへんはシビアに本編を反映してるんだよなぁ。

どうせ「ケーキを7等分」という話にするのなら、本編ではかなわなかった姉妹全員でのお茶会を実現させてほしかったです。
夢の世界…ではなくて、案外近い未来の話かもしれないのですから。

蒼ちゃんの「ケーキさえなければ!」はツボでした。
この人の書く蒼ちゃん好きだ(笑)