好きなものを描いたり語ったりするブログです
日本のファンタジーとか
2017年08月04日 (金) | 編集 |
またいくつか児童書を読んだので雑感を書きます。

『あたまにつまった石ころが』キャロル・オーティス・ハースト
石が好きということだけで生きていける。そういう話。
ダイゴさんですね……。

『ダイヤモンドよりも平和がほしい』後藤健二
遅くなりましたが読みました。
子ども兵の過酷な現状、脱出してきた子たちの努力と生命力、そういったものが手に取るように伝わってきました。
難しいテーマに思えますが、移民・難民・戦争を扱った本が多く取り上げられる中で、この本は特に読みやすかったです。
それだけに、作者のかたが亡くなってしまったことが残念です。

『ロベルトのてがみ』マリー・ホール・エッツ
きちんとした教育を受けることで救われる子どもがいるっていうのはわかるんだけどさ……。
あのお父さんをそのまま放置していいのか?
奥さんに「出てけ!」って言い放つような男だぞ。子どもに体罰もしてるし。
そういう時代なのかもしれないけど、放っておくと同じこと繰り返すと思うんだよな〜。

『リフカの旅』カレン・ヘス
ユダヤ人が国を逃れる話はいくつか読みましたが、どれも実話をもとにしているので、読んでいて辛い場面もありました。
病気や迫害の恐怖にさらされながら長距離を移動する様子は本当に苦しくて、家族全員が生き延びるとわかっていても希望が持てなくなるほどでした。小学生向けとしてはちょっと重くない?

『エルマーのぼうけん』ルース・スタイルス・ガネット
これね! 教科書にも載ってるし、家にも多分あったけど、ちゃんと全部読んでなかったんだな。
面白いです。主人公と語り手がじつは違っていて、父親からの伝聞として始まるのも意外でした。
いろいろな動物を騙しながら竜を助けに行く展開は愉快で、でも騙すたびに足がついて危険が増えていくのでハラハラしました。
1・2年生向けとしてオススメされていたけど、3年生の教科書掲載だし、1段階上げたほうがいいんじゃないかな。

『二分間の冒険』岡田淳
高学年向け、日本のファンタジーです。上記のエルマーとは逆に、竜を倒しに行く物語。
冒頭に謎が提示されているのですが、この答えは私でもすぐわかってしまったので、多分小学生でもわかるんじゃないかな。
それよりも、竜と大人たちによって仕組まれた世界の構造と、竜があの手この手で主人公グループを陥れようとする場面が印象的でした。一人の人間の陰謀で歴史が改ざんされていた、というオチは普通に怖かったです。

『キノコのカミサマ』花形みつる
えーと、これだけ異色というか……自治体おすすめの本ではありません。
というわけで格調が低いです。なろう作品を読んでるような感覚でしたが、読み物としては面白いと思います。
終始「カミサマ」の気まぐれに振り回されている主人公親子ですが、離れ離れになった家族の心が少しだけ近づいた、ということなのかな。カミサマのキャラが強烈すぎてどうでも良くなっちゃいそうなんですが。

来週からは次年度の推薦本を決めるため、さらにたくさんの量を読まなければならないのですが、ゆるーく行こうと思います。。。候補本が面白いといいけどなあ。

とりあえず今回一番のヒットは『二分間の冒険』でした。
前回紹介した『わすれものの森』よりもずっと良かったです。
学生時代に読みたかった気もしますが、大人でも全然入り込めますよ!
スポンサーサイト
ワンダリングワンダーワールド4巻感想
2017年07月26日 (水) | 編集 |
発売からだいぶ経ってしまいましたが、ワワワ最終巻を読んだので感想を書きます。

まず……何よりも。

一重兄ぃ〜〜〜〜〜〜!!
ギブス〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

彼らの活躍があって嬉しいです。
一重はこの作品の良心なので、ちょくちょく映りはするだろうなと思ってましたが、予想以上に良い動きをしてくれた上、キャラも変に掘り下げたり崩したりせず、最後まで真っすぐでいてくれました。

ギブスはもう、全然期待していなかったので、まさかの大活躍に心臓をわしづかまれました。
サイが追われる身になってピンチに陥ったところで、歯をむき出して笑った口元がアップになった瞬間、来たーーーー!と思いましたよ。
トリックスターですね、ギブス。
他の人と違う動きをするから、込み入った場面にスッと入り込んで主人公を助けることができる。
味方につけると厄介ですが、泳がせておくと役に立つ。ものすごく良い役どころに落ち着いてくれて嬉しいよ。。。


なんか昔に描いてた(笑)

ギブス


お話としても、思ったよりずっと綺麗にまとまっていました。
真皇とは何なのか、という説明が若干わかりづらく、まつろわぬ者というのも曖昧な表現でしたが、それが何かということよりも、陰鬼が祭り上げた真皇をどうやって退治するか、同化してしまった鉄心をどうやって助けるか、ということに重点を置いて展開させていたのであまり気になりませんでした。

真皇に取り込まれた鉄心をサイが取り戻しに行くシーンは、ローゼンメイデンを読んでいた人ならすぐに「あ!!」と声が出たんじゃないかと思います。
雪華綺晶と同化しためぐを水銀燈が助けようとするシーンにそっくりですね。セルフオマージュと言ってもいいのではないでしょうか。

真皇の横に獄吏丸が立って指揮をとっているのも、皆人くんが雪華綺晶に号令をかけていたのと同じ構図です。
戦闘シーンとしては、ローゼンよりも良く描けていたように思います。

このお話の良いところは、味方サイドが騙し合ったり利用し合ったりしているように見えて、実は一人も悪人がいないところ。
全てを自分の手の上で操っていたリックさえも、「絆の力で陰鬼に打ち勝ちたい」という健全な目的を持っていました。その絆の象徴が「おにぎり」であり、「人間関係」であり、生きた世界と自分を結びつける全てのものが力になるのでしょう。

リックが自分を犠牲にして仲間たちの絆の力を最大限に引き出し、全員の命を救ったのも、ローゼンのラストで真紅が選んだ道に通じますね。
最後、リックの意思を継いで鉄心が戻ってきてくれた時、世界に陽のエネルギーが満ち溢れるのを感じました。
「ボクは世界の主人公だよ」という言葉で、やっぱりこれは鉄心の物語だったんだと思えました。

さて、ヒロインである伊吹には、正直あまり興味を持っていませんでした。
嫌いではないし、真っ当な感覚を持つ女の子だと思いますが、他のキャラが面白すぎて惹かれる部分がないのよね。
最後、両親のお墓に手を合わせる場面は少し共感できましたが、全体で見るとやっぱり弱かったです。

どちらかというと二花のほうが好みでしたが、彼女はミニマム男子フェチではなく、純粋に一重兄だけを想っていてほしかったです。あんなに兄ぃ兄ぃと連呼しながら、サイに上目遣いで擦り寄られたら簡単に落ちてしまうなんて、ちょっと軽すぎやしませんか。筋金入りのブラコンであってほしかった。

サイは冒頭では一番好きだったのですが、どんどん絵柄が中途半端になったのと、伊吹とくっつくのが見え見えになってきたので、中盤以降は気持ちが離れてしまいました。
サイも伊吹も筋の通った良いキャラなのですが、どうしてもこの二人が一緒にいると、二人でよろしくやってよ……という気になってしまいます。一人で好き勝手に動けるギブスのほうが好きだ。

絵柄は不安定だったなと思います。
サイの顔型や表情が毎回違ったふうに崩れているのが気になりました。
その点でもギブスはこれ以上崩しようがないので見ていてラクでした(褒めすぎ)

一重兄も中盤までは崩れなかったのですが、最終巻はちょっと怪しかったです。
特に最後の帽子を脱いで普段着姿になっているところ、衣装が違うから仕方ないとはいえ、女の子にしか見えなくて……。
二花もそうですが、動きは良いのにところどころ雑に見えるのが気がかりでした。


長くなりましたが、ローゼンメイデンの作者というだけで飛びついたこの作品、思った以上に良かったです。
もっと後味の悪いラストになることも予想していたので、普通に泣けてびっくり。
そしてとにかくやっぱりギブスが好きです。彼の活躍があっただけでも当たりでした。読んで良かった!!


<追記>
書き忘れた。
何がそんなに泣けたって、瀧夜叉が死ぬシーン。
それほど気にしていたキャラではなかったのですが、もう一度おにぎり食べたかった、の一言が強力すぎました。
まさか瀧夜叉で泣くとは。とんだ伏兵でした。

青い表紙が良いですね
2017年07月17日 (月) | 編集 |
また少し本を読んだので感想を。

安東みきえ『迷いクジラの子守歌』
海の生き物たちの共生、子育てなど、実際の生態に合わせてドラマチックに物語を作っています。
短編なので読みやすいです。ちょっと美談すぎるかな?と思うところもありますが、避けられない死や別れも綺麗に演出されていて、ほっこりした気分で読み終わりました。

岡田淳『わすれものの森』
タイトルと装丁を見ると、もう少し詩的で寂しげな話なのかな、と思いましたが、こちらも軽く読めるタイプのお話。小学校3〜4年にちょうどいいと思います。
置き忘れたものを集める人たちがいて、それは森へ運ばれて、しばらく経つと果物のようになってしまう、という発想がとても好きです。お笑い芸人のようなサントスとニブラのキャラも良かったけど、忘れ物をしたことを執拗に悔い改めさせるのは現代の風潮に合わないかも。同作者の「魔女のシュークリーム」のほうが私は好みかな。

次は『丘の上の図書館』を読もうか、それともまた自治体ですすめられている本を読もうか迷ってます。
本の感想その2
2017年07月11日 (火) | 編集 |
ツイッターはお休みしてますが、こちらには居るので、コメントや拍手でぜひ気軽に話しかけてください♪
ピグとかモグにも久しぶりに顔を出しております。
なろうにも普通に居ます(笑)


さて、今日も本の紹介です。

自治体でおすすめされている本をまたいくつか、今度は低学年向けのものを中心に読みました。
いや、これ、本当にハズレがない。
すごくいいな、と思うのは一部の本ですが、読むのが苦痛とか理解できないとか、不愉快な本には今のところ1冊も当たっていないです。

『アンディとらいおん』ドーハーティ
最後まで読んで笑ってしまいました。
あくまでも、大好きなライオンの本を図書館で借りて返すまでのお話なのね。
その間に起きている大事件と、主人公の勇敢な行為がまるで通過点のよう。
好きな動物は、と聞かれて「ライオン!」と答える子供って、なんだか憧れます。

『アフリカの音』沢田としき
どこからか、たいこの音が聞こえてくる……。
いいですね、この空気感。生きる喜びを感じます。
ヤギがたいこの皮になって、音になって生きているという言葉が心に響きました。

『ぼくはまほうつかい』マヤ・アンジェロワ
これもアフリカの話。
主人公が魔法を使えるのはどうしてか、最後まで読むとわかります。
アフリカの人だからではないし、機織りの勉強をしているからでもない。
これを読むと、地球上にある全ての本は魔法の書なんだと思えます。


おすすめされている本以外も、いくつか読みました。
あまり有名でないものもあるので、ぜひ読んでみてください!

『でも、わたし生きていくわ』コレット・ニース=マズール
突然の事故で両親を失った3人きょうだいのお話。
ドタバタといろいろなことを決めなければいけない様子、少し無理をしながら、それでも楽しみを見つけて新しい日常を受け入れていく様子がありのままに書かれています。
悲しみは消えないけど、今は幸せ。この言葉が、私にすごくしっくり来ました。

『死神さんとアヒルさん』ヴォルフ・エァルブルッフ
どういう組み合わせだ、と思いますよね(笑)
これも、ひたひたと迫ってくる死の気配を美化せず、でも悲しみを盛りすぎず、具体的に書いているところが良いです。
無慈悲だけど親しげな死神のキャラもいいし、イヤだと思いつつ普通に接してしまうアヒルもいい味出してます。

『しろいうま』やなせたかし
アンパンマンの古い紙芝居や絵本とはまた違った感じの絵柄で、渋みがあります。
季節の移り変わりや、雪と星の描写が美しいです。
山の雪が溶けて羊になって下りてくる、というところが神話的でいいなあと。


何を読んでもわりと良いなあという感想しか出てこないのですが、なぜ課題図書だけ……。
今の傾向に自分が合っていないだけなのか(⌒-⌒;
久しぶりに本の感想を☆
2017年07月10日 (月) | 編集 |
仕事で児童書をいくつか読んでいるのですが、初めて「青少年読書感想文全国コンクール」について詳しく知りました。低中高学年それぞれ4冊ずつ課題図書があって、それを読んで感想を書く部門と、自由読書部門があるんですね。
そういえば自分が小学生の時、森絵都さんの「宇宙のみなしご」を読んだのはここで紹介されていたからだったかな?

実際に課題図書を読んでみて思ったのは、当たり外れがあるなあ……と。
当たり外れというよりは、合う合わない、なのかな。
いや、でも、これは明らかに感想書きづらいでしょ、というのが混じっていて、何だかなと思っちゃいました。

2017年度の課題図書で、すごく良い!と思ったのは
「すばこ(低)」
「干したから(中)」
「耳の聞こえないメジャーリーガー ウィリアム・ホイ(中)」
「転んでも、大丈夫(高)」
この4つは読みやすく、テーマも伝わりやすかったです。

他のもまあまあ良かったり、面白いところがあったりはしたのですが、何しろ同じような性格の主人公が多くて、ライトノベルみたいな感じで、これにどうやって感想文を……?と思うものもありました。
「霧の中の白い犬」と「くろねこのどん」に至っては、読み進めるのが困難なレベル(⌒-⌒;

その後で、自治体できちんと選書されたおすすめの本をいくつか読んだら、こちらは外れがなくて、長くても退屈しません。「肥後の石工」「ミス・ビアンカ」を続けて読んだのですが、どちらも普段全然読まないタイプの話なのに面白い……!
やっぱり選書って大事なのね、と思ったのでした。

そして今、村山早紀先生の「アカネヒメ物語」を読みました。
なんというか、これは……
好きな作家さんの作品って、無条件で涙腺崩壊してしまうものですね(T^T)
暖かくて優しいけれどそれだけではない、厳しい現実があるからこそ、見守ってくれる人の存在がありがたく感じられる、そんなお話でした。好き。