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『ハリー・ポッターと呪いの子』感想
2017年05月11日 (木) | 編集 |
遅ればせながら、ハリポタ呪いの子を日本語訳版で読むことができたので感想を書きます。

ネタバレはもちろん、かなり強く突っ込みながら書いているのでその点にも注意。

何でもOK、という人のみ、追記からお読みください。






戯曲でありながら、小説版ハリー・ポッターの正式な続編として発表された「呪いの子」。
でもこれを正史とするかどうかは読む側の自由だと思います。
納得できなかったら、想定できる未来のひとつだと思えばいいんじゃないでしょうか。

実際に、タイムターナーを使った時間遡行と歴史の改変、タイムパラドックスが主な内容なので、あんな世界もこんな世界もあるんだ、と割り切って読みやすいです。
小説版が好きだからガッカリするのが怖い!という人も、手に取ってみてはどうかと。
pixivに溢れている逆行ものと同じ感覚で読めばいい……というのは言いすぎでしょうかね。

アルバスの寮については、どっちで来るかな〜と思いましたが、スリザリンでしたね。
スリザリンに入ってスコーピウスと絡んでほしい、というファンの望みがあっさり叶ってしまいました(笑)
でもこれって実は、すごいことです。
グリフィンドールの家系にスリザリン生が出るって、よく考えたら大変ですよ。
逆はまだ納得できます。シリウスが血に抗う生き方をしてグリフィンドールに入ったというのは自然ですよね。でもスリザリンは血筋を重視する寮なので、両親も祖父母もグリフィンドールのアルバスをいきなり招き入れるのは衝撃的な事態といえます。

ホグワーツの戦い以降スリザリン寮の性質が変わっていったことも、原因のひとつでしょう。
純血主義ではなくなった、とポタモアに明記されていましたっけ?
両親の出身寮にもあまり縛られなくなったのかもしれません。
強い資質を備えていれば血筋に関わらず組み分けるのは昔からあることですものね。
ヴォルデモート、スネイプ、アンブリッジは性質や思想で入寮した例です……が、アルバスがそれと同じくらいスリザリン的かと聞かれると、うーん微妙、というのが正直な感想です。
アルバス・セブルス!!!・ポッター、という感じで、ミドルネームがものすごい主張をしていたのでしょうか。

歴史改変でグリフィンドールのアルバスも一応見られるので、グリフィン派の人も大丈夫。

組み分けについて語り出すときりがないのでこのあたりで次の話題に。



時間遡行ですが、鍵になるのは4巻、炎のゴブレットのエピソードです。
マッドアイ!!!と思うけど出てきませんよ、残念。
3つの課題がそれぞれ歴史を変える鍵になっているわけですが、とりわけセドリックの扱いに注意が必要です。
そもそも父親のエイモスがセドリックを生き返らせたいと言い出したことがきっかけだったので、当たり前といえば当たり前なのですが、セドリック……本当に取り扱い注意です。

まず第一の課題でセドリックを失敗させた場合、ロンとハーマイオニーが結婚しなくなります。
えっ。ちょっと、それはどうなの!? と一番思ったのがここの部分でした。
セドリックが失敗したのはクラムの陰謀だとハー子が思う→クラムとダンスパーティに行かない→ロンが嫉妬しない→恋心に気づかない、という展開なのですが……。

いやいやいやいや。

ロンは2巻の時点で既にロックハートに嫉妬してたでしょ!
そしてハー子も4年間通してロンを意識するようになってたでしょ!
クラムの件だけでそんなに変わるとは思えない……どうしても。
ロンがパドマを選んで、ハー子とは友達のままで終わったというけれど、ラベンダーの時みたいにハー子が嫉妬しないのはなぜ? と少しモヤモヤしました。

まあ、この時間軸でもロンは無意識にハー子を気にしているような描写があったので、あくまでも「無い」わけじゃなくて「気づかない」という設定なんだろうけど。
うーん。気づかない? 本当に?

そして第二の課題でセドリックをさらに失敗させた場合……
セドリックが闇堕ちする。

あのねえ。煽られ耐性なさすぎでしょセドリックさん。
そりゃあ失敗させられて笑い者にされるのは耐え難い屈辱だろうけど、それで死喰い人になるってどんだけ極端なのよ!?
セドリックはイケメンな優等生で、こんな酷い扱いを受けたことなんてなかったから、相当ショックだったんだろうけど……死喰い人ってそんな簡単になれるもんなんですか?

でも、そのセドリックが死喰い人の戦力となってネビルを殺し、分霊箱を壊しきれなくてハリーが敗北する、というのは説得力のある展開だと思いました。
分霊箱破壊は本当にギリギリの戦いの中でやっていたことなので、誰か一人でも欠けたら成り立たなくなるんですよね。特にネビルは重要人物。ここが勝負の分かれ目になるのは納得です。

ハリーが敗北した時間軸の未来は、ヴォルデモート支配下の暗黒の世界です。
この描写がまた良いんですよね。
私は日本語訳版を読んだので、戦士となったハー子の口調がベラ様のようで笑ってしまいました。スネイプとの掛け合いもすごくいいし、スコーピウスに希望を託して散っていく様子も勇壮でした。
そして、もういろいろな人が何度も言っていると思うのですが、ここのスネイプは英雄です。スコーピウスの言う通り、闇の中の光。この世界を、この物語を正しい方向へ導いてくれました。ガチでかっこいいです。
……でもアンブリッジも良いよね(笑)



さて、この二つの歴史改変をどうにか元に戻した後で、ヴォルデモートの娘デルフィーが正体をあらわします。
父親の栄華をもう一度、と目論んでいたデルフィーの頭の中では、「セドリックを闇堕ちさせる=ハリーが負ける」という図式が出来上がってしまっています。

なので……

デルフィー「セドリックを辱めろ! とにかく辱めるのだあ!」
アルバス「だめええええ!」

という展開になります。
私がセドリックのファンだったら萌え滾っているところですよ。

そして第三の試練のシーンに無理矢理タイムワープさせられて、危ないところを当のセドリックに助けられるわけですが、ああ良かった! ちゃんとセドリックかっこよく書かれてた!
このシーンがなかったら、セドリックのファンに勧めるのをためらうところでした。

第三の試練といえば、さすがにマッドアイ(偽物)と鉢合わせするのでは、とドキドキしましたが、そんなことはありませんでした。残念すぎる。ハリーを勝たせるためにあれこれ細工してるところを見て「えっ何あんた誰?」ってなったら面白かったのに。



この後、舞台はジェームズとリリーが殺されたハロウィンの夜に移ります。予言は覆せる、というスコーピウスの言葉をデルフィーが逆手に取り、父親がポッター家を襲って自滅するのを阻止しようとしたんですね。
これ、実際に阻止してたらどうなっていたのか気になります。
ハリーは両親の揃った家庭で普通に魔法使いとして育ち、シリウスは逮捕されず、スネイプは闇陣営のまま、ヴォルデモートは弱らずに生き続ける。クィレル先生は寄生されない。
やっぱりヴォルデモート有利ですかね?

デルフィーがあっさり取り押さえられてしまったのは少し違和感もありましたが、お話の尺としてはちょうどいいのかもしれません。父親に対する思いは闇の勢力としてだけだったのか、それとも愛情があったのか、どちらとも取れる終わり方でした。ヴォルデモートがベラとの間に子供を作ったこと自体、強い遺伝子を残したいだけだったのか、愛情があったのかわかりません。

歴史を変えず、ヴォルデモートがジェームズとリリーを殺すのを見届ける。ハリーにとっては自分が選んだ未来のためですが、デルフィーにとっては望みが絶たれた瞬間でした。でも、自分の親を救わずに見ていなければいけないという点では同じですから、二人の間に何か少し共通する感情が流れても良かったと思いました。
ああ、でも……そういう感情を持っていないからヴォルデモートもデルフィーも破滅への運命を辿ったのかもしれませんね。

人物描写はみんな良かったです。ドラコは闇の世界線でも根底に家族愛があったり、ロンは学生時代よりも余裕のある楽しいおじさんになっていたり、ハリーは相変わらず余裕のないまま大人になっていたり、ハー子は魔法大臣でも教授でも戦士でもそれぞれ有能だったり、スコーピウスがとにかく良い子だったり……そうそう、この人ってこういう人なんだよね、と自然に魅力を感じられる描写でした。

描写、ではないね。動き、かな?

台本という形式が、意外と私の読み方に合っていると感じました。
長文を読み解いて情景や人物像を思い浮かべるのが苦手なので、映像を簡略化したように書かれているのはとても読みやすかったです。
文章を映像に置き換えるのが苦手という人にはおすすめ。


長くなりましたが、読むことができて本当に良かったです。
ハリポタファンとして、しばらく時を止めてしまっていたけれど、こうしていつでも帰ってこられるんだなと。
この作品が好きで良かった、この人物たちが好きで良かったと心から思いました。
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