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ローゼンメイデン ロートシュヴァルツ 感想
2014年04月23日 (水) | 編集 |
真紅と水銀燈の小説『ロートシュヴァルツ』を読みました。
舞台は19世紀のイギリス、オックスフォードです。
この時代の真紅のマスターはアリス・リデル。
『不思議の国のアリス』の主人公のモデルとなった少女です。
アリスの作者、ルイス・キャロルもドッドソンという本名で登場しています。

ドッドソンが物語を書くきっかけになったボートでのピクニックや、代用ウミガメスープの歌なども作中に織り込まれ、最後には『不思議の国のアリス』が完成するという流れはとても美しいです。
一方、水銀燈は以前メアリーという女性をマスターにしていたことを明かしますが、こちらは『フランケンシュタイン』の作者です。時代は50年くらい差がありますが、どちらも小説が生まれる過程に立ち会い、影響を与えたというところが興味深いです。
ガラス職人の生活を描いた前作『ツヴィリンゲ』と違い、読んでいる人の多くが馴染み深く思える反面、目新しさはやや薄れます。ただ、アリスの哲学的な世界に真紅が、フランケンの絶望的なゴシックロマンの世界に水銀燈が関わっていたという設定は上手ですね。

そこで気になった点がひとつ。
アリスの物語が書かれたのは確かにこの時代なのですが、本編で真紅たちがまだ箱庭にいた頃、アリスにまつわる話をしているシーンがありました。

「なんでもない日おめでとう」
「それはイカレ帽子屋の台詞だわ」

というところ。
私はあまり詳しくないのですが、あの台詞にはアリス以前の元ネタがあったのでしょうか?
それにしたって、箱庭時代というとかなり昔になってしまうと思うのですが…。
いくらnのフィールドと現実世界は時間の進み方が違うとは言え、箱庭を旅立った真紅が巡り巡ってアリス・リデルの元へやってくるという話になると、どうしても前後関係が気になります。


さてさて、お話全体としては明るい作風に仕上がっていました。
アリス・リデルを雛苺と重ねて見る真紅の目が優しく、二人のやりとりが微笑ましいです。
ドッドソン先生のキャラクターもほんわかしていて、吃音や少女性愛などの要素は割愛されています。写真趣味も明るいイメージでしか出てきません。
真紅の探偵好きのルーツとしてアリスとドッドソンを登場させ、事件の謎解きをする展開も可愛くて良いのですが、推理ものとしてはそんなに面白くなかったかなぁ。事件に関わってる人たちがそれほど魅力的じゃないし、最後のほうはバタバタと片付けて無理矢理納得させてしまった感じ。

水銀燈のキャラクターも、あと一歩活かせなかった印象です。
価値観の違いが元でメアリーとの契約を解除した後、水銀燈はマスターとの絆を否定し続けてきました。ひょっとしたら、この後めぐと出会うまでずっとそうだったのかしら…? 私はてっきり、自分のせいでマスターを死なせたとか、何かトラウマティックな経験があるんだと思っていましたが…。
まあ、自分を元ネタにフランケンシュタインなんぞを生み出されたらそれはショックだろうけど…。
すんなりと昔語りをするところと言い、何となくこの作品の水銀燈には違和感を感じます。
でも、悪魔と間違えられて騒ぎになる展開は良かったですね。水銀燈が天使に見えるのは、真のマスター(とその父親)だけなんだとつくづく思いました。


で、最後に現代に戻り、みんなでお茶会…。
えーと、ここにいるメンツは真紅と水銀燈と翠星石と蒼星石と金糸雀。
ということは、本編の時系列で言うとみんなで雪華綺晶の城に乗り込む直前?
いやいや、それだとジュンがいるのはおかしいし…。
dolls talk的な世界?と一瞬考えたけど、雛苺がいないところを見るとそのへんはシビアに本編を反映してるんだよなぁ。

どうせ「ケーキを7等分」という話にするのなら、本編ではかなわなかった姉妹全員でのお茶会を実現させてほしかったです。
夢の世界…ではなくて、案外近い未来の話かもしれないのですから。

蒼ちゃんの「ケーキさえなければ!」はツボでした。
この人の書く蒼ちゃん好きだ(笑)
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